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オートモーティブ認定

今日の自動車の電力サブシステムの設計は、非常に複雑です。複雑になる原因は何でしょうか? 使用する動力がエンジンかモーターかに関係なく、最新の自動車には、かつてないほど多くのさまざまな電力要件があり、100 ものプログラム可能な電子制御機器 (ECU) によりエンジン及びパワー伝送部からインフォテインメント、通信、安全性及び運転支援システムまでのあらゆることを制御しています。自動車の技術はより洗練された運転支援システムや自動運転車に向かって急速に前進しており、複雑性は増すばかりです。

そのため、パワー エレクトロニクス システム市場において、自動車部門がコンピュータや通信を上回って急速に成長していることは当然といえます。自動車に搭載されるパワー エレクトロニクスは、より複雑化し、より多くの機能を制御することになるため、いくつかの設計要因がさらに重要になります。

  • 耐久性と信頼性: 部品には過酷な日常使用、極度の温度や湿度に対する耐久性が求められます。
  • 製品寿命: 消費者は、自動車が携帯電話などの他の電子機器よりも長く (10 年以上)動き続けることを期待しています。
  • 干渉: 自動車の電子コンポーネント及びシステムは相互に干渉することなく、機能しなければなりません。

電子システムに組み込まれた部品が破損しないようにするため、自動車業界では部品の製造及びテストに対する厳しい品質基準を確立しました。こうした基準を満たした部品だけを自動車に使用することができます。

主な自動車認定基準

  1. AEC-Q100 認定 - AEC-Q100 は、集積回路(IC)に対する信頼性試験規格です。Automotive Electronics Council (AEC) は、米国において、当初、共通の部品認定と品質システム基準を確立するために 3 つの主要な自動車メーカーによって設立されました。AEC-Q100 は業界標準規格で、集積回路に対する推奨新製品と主な変更認定要件及び手順をまとめたものです。
     
  2. IEC60664-1 - 電位差のある部品間において、その最大ピーク電圧に耐えうるように空間距離を確保するこが規定されています。パッシェンの法則によると、最大電圧値に耐える気体の状態は気圧に関連しています。標高が高くなるにつれて気圧が低くなるため、標高の高い場所での使用では空間距離や沿面距離を考慮しなければなりません。特定の環境下において、絶縁材を介して受ける電界ストレスは装置構造に依存し、標高2000mまではその製品に適用される規格に従って検証されます。2000 m を超える場合、その装置に対するUe、Ui、Uimp 及び Ie を再評価する必要があります。例えば、標高5000m以上6000m以下では、動作補正係数の1.48を乗算して試験します。
     
  3. VDE0884-10 - この規格は、装置がさまざまな試験下で絶縁破壊せずに耐えられる最大過渡電圧に関連しています。例えば、VIOTM は、絶縁破壊することなく扱うことができるピーク過渡電圧として IEC 60747-5-5 及び VDE 0884-10 によって定義されます。この規格は、電圧破壊ではなく部分放電試験及び絶縁耐電圧に基づいています。
     
  4. CTI 600 型材 - 比較トラッキング指数、または CTI は、絶縁材料の電気絶縁破壊 (トラッキング)特性の測定に使用されます。トラッキングは絶縁材料の表面の電気絶縁破壊です。そこでは、最初に熱にさらされて炭化が進み、その炭化したものがさらにより多くの電流を流して、熱が生成され、最後には完全に破壊します。装置内の電気的導電部分、特に高電圧部と人間が触れることのできる部分間の最小沿面距離は、その絶縁材のCTI値によって決まります。

詳細については、「自動車用アプリケーション」ページを参照してください。